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2022年 1月 15日 ☆☆☆【地理歴史】大学入学共通テスト 解答速報☆☆☆

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【世界史B】

◆全体外観

◆設問別分析

【第1問】世界史上の学者や知識人
Aはシーボルトについての文章、Bはハサン=ブン=イーサーの伝記記事の資料を、Cは王国維が著した論文を用いたリード文であった。Aでは中国についての設問を中心に、文化史や地図問題が出題された。Bではイランについての設問を中心に、古代から近代まで幅広く出題された。Cでは中国周辺史を中心に、解答を導くために資料の読解が不可欠である問題が出題された。全体的に、文化史や地図など幅広い知識が定着しているかが求められた。

【第2問】ある出来事の当事者の発言や観察者による記録
Aはウィンストン=チャーチルの『偉大な同時代人たち』を、Bはアメリカ合衆国大統領の演説を用いたリード文であった。Aでは資料の読み取りと地図の知識を連動させる設問が出題された。Bでは現代史についての設問を中心に幅広い知識が問われた。全体的に、戦後史や地図の知識など受験生が手薄になりがちな知識が求められた。

【第3問】世界史上の人々の交流や社会の変化
Aは明治期の政治小説に描かれた国際情勢についての会話文を、Bは世界の各地域の人口推移についての会話文を、Cはオセアニアの先住民についての会話文を用いてのリード文であった。Aは19世紀の世界についての幅広い知識が問われた。Bでは昨年見られなかった表中の数値を用いて考察させる問題が出題された。Cでは読解力を問われる問題が出題された。全体的に、資料を読解しなければ解けない問題が多く、解答するのに時間を要したであろう。

【第4問】歴史評価の多様性
Aはイギリス人作家ジョージ=オーウェルの書物を、Bは絵画を基にした会話文を用いてのリード文であった。Aでは日本の近現代史を中心に、資料の読解に加えて考察力を問う問題が出題された。Bは地域・時代共に幅広い出題であった。全体的に、20世紀を中心とした世界史の基礎的な知識に基づく考察力が求められた。

【第5問】世界史上の墓や廟
Aはサン=ドニ大修道院付属聖堂内の墓棺群の配置推定復元図を、Bは写真を基にした会話文を用いてのリード文であった。Aでは中世ヨーロッパについての設問を中心に資料の読解力を試す問題が出題された。Bでは人の移動をテーマに地図問題も含めた幅広い知識が問われた。全体的に、歴史的事項がどの時代に起こったのかという、君主や王朝ごとの事績についての正確な知識が求められたと言える。

◆解答

 

【日本史B】

◆全体外観

 

◆設問別分析

第1問:姓と名字
小問数6問のうち、正誤を組み合わせる問題が3問、空欄補充問題、2つの文から正誤を組み合わせる問題、年代整序問題が、それぞれ1題ずつ出題された。第1問は昨年度同様、会話文形式での出題だった。図・表や会話文の読み取りが求められる問題が出題された。

問1 空欄に入る文の組合せを選択する問題。アは、会話文やメモから判断できる。イは、平民に苗字を名乗らせた理由が「近代国家の国民として把握する」ためであったかどうかを判断できなくても、明治初期には「華族・士族・平民の身分を撤廃」したのではなく、これらの族籍が新たに設けられたことを認識していれば、消去法で解答は導き出せる。

問2 人物が抽象化されているため、やや判断が難しかったかもしれない。Xは源義仲、Yは足利持氏について述べた文章である。

問3  IIIの「ウィリアム=アダムズ」が徳川家康の顧問、Iの「近松門左衛門」が元禄文化期の文化人、IIの「江川太郎左衛門英竜」が幕末期の人物、というように、大まかな時期を捉えていれば、正答は導き出せただろう。

問4 嵯峨天皇を中心とする略系図を用いた問題。a・bの判別は「嵯峨天皇」の時期を中心とする、弘仁・貞観文化の基本的な知識があれば対応できたと思われる。

問5 表を用いた2つの文の正誤を判断する問題。X「アメリカ・イギリスに宣戦布告」したのは1941年。Y「天皇の代替わり」とは、1926年。基本的な年代を把握しておくことが前提とされる問題だった。

問6 a・bの判断はやや悩んだかもしれないが、ヒントは会話文・メモ・図の中にあった。c・dの判別は、基礎的な知識があれば、容易だったと思われる。


第2問 古代の法整備と遣隋使、遣唐使
小問数5問のうち、正誤を組み合わせる問題が2問、4つの文から正文を1つ選ぶ問題、4つの文から誤文を1つ選ぶ問題、年代整序の問題がそれぞれ1問ずつ出題された。昨年度は見られなかった年表を用いた形式の問題だった。年代整序の問題では、史料を並べ替える問題が出題された。

問1 「遣隋使」が倭の五王以来の中国への遣使であったこと、「曇徴」が高句麗僧だったことを認識していれば、判断できる。

問2  8世紀は天平文化期(奈良時代)、9世紀は弘仁・貞観文化期(平安時代初期、年表に「弘仁格式」「貞観格式」とあり)であるため、文化史に関する基本的な情報を把握していれば、正答を導けただろう。

問3 史料にある「去年の計帳」の人数、「今年の計帳」の人数が表記されていることから、bの「計帳からは、年ごとの戸の人数の変動が分かる」は適当であると判断できる。dの「黒子の位置」は史料に表記されていることからも、「本人を特定するため」のものであったと考えられる。

問4 短文史料を用いた年代整序問題。Iが養老令、IIが憲法十七条、IIIが延喜式であるが、IとIIIの判断にやや戸惑ったと思われる。

問5 年表の「養老律令」以降、律令が編纂されていないことが読み取れるため、選択肢2の「律令の編纂は、天皇の代替わりごとに行われた」は誤りと判断できる。


第3問:中世の海と人々
小問数5問のうち,正誤を組み合わせる問題が2問、4つの文から誤文を1つ選ぶ問題、2つの文の正誤を判断する問題、年代整序の問題がそれぞれ1問ずつ出題された。第3問も会話文の形式をとる問題だった。

問1 会話文からの読み取りが求められた問題。正文となる選択肢1~3は会話文にヒントがあった。選択肢4は中国の海禁政策や応永の外寇の背景などを想起すれば,「倭寇は国家権力による保護」を得ていないと判断できる。

問2 IIIは平安時代,IIは鎌倉時代,Iは戦国~安土桃山時代,であるため,判断しやすかったはずである。

問3 多くの教科書に掲載されている馬借の図。教科書のキャプションまで確認していた受験生は,すぐにどちらも正文だと判断できただろう。同様の図版は,2008年度のセンター本試・日本史Bでも使用されている。

問4 a・bは,史料1行目に「日本国使,……多く商物を齎し,銀両八万に至る」とあることから判断できる。aは誤り。c・dは,史料3~6行目を丁寧に読めば判断できる。

問5 かつてのセンター日本史Bで見られたタイプの地図問題。Xは志苔館の説明。Yは「元軍や高麗軍」から蒙古襲来を想起できただろう。多くの受験生が,北海道南部や九州北部を選択できたと思われる。


第4問 近世の身分と社会
小問数5問のうち、正誤を組み合わせる問題、4つの文から正文を1つ選ぶ問題、4つの文から誤文を1つ選ぶ問題、2つの文の正誤を判断する問題、年代整序の問題がそれぞれ1問ずつ出題された。特筆点として、生徒のメモが素材として使われたことや、2文正誤の問題において、複数の史料を読み取って正誤を判断する形式の問題が出題されたことがあげられる。

問1 「メモ」には、「居住地が区別された」非人がいたこと、「都市では、組織に属さない『野非人』と呼ばれる人々も増加し、その取締り」が行われていたことなどが記されていた。これらを参考にすれば、「総意により運営」は誤りと判断できる。

問2  IIは「出雲阿国(出雲の阿国)」から桃山文化、IIIは「初代市川団十郎」から元禄文化、Iは東洲斎写楽から宝暦・天明期の文化について述べた選択肢だと判断できる。

問3  Xは史料1を対象とする選択肢で、正文であることは判断しやすかっただろう。Yは史料2の「天明」(18世紀の年号)を見逃さなければ、19世紀の「世直し一揆」は誤りだと判断できる。

問4 史料の読解問題。c・dの判別は、設問文の「1836年」から、天保の改革の政策を選択すればよいと判断できただろう。

問5 近世の身分と社会に関する4つの文から正文を選ぶ問題。「メモ」をヒントにしなくても、正答の選択肢1を選択できた受験生が多かったと思われるが、「メモ」には、将軍に拝謁できる者である「旗本」の語が記されていた。


第5問  幕末・明治期の日本とハワイ
小問数4問のうち、正誤を組み合わせる問題が2問、2つの文の正誤を判断する問題と年代整序問題が、それぞれ1問ずつ出題された。昨年度の共通テスト日本史B第5問は、人物をテーマとした問題だったが、今年度は会話文の形式がとられた。第5問でも、複数の史料を読み取って正誤を判断する形式の問題が出題された。

問1  2つの文X・Yと、それに該当する用語を組み合わせる問題。地名や国籍などの把握が必要であった。

問2  a・bでは史料の読解が求められたが、史料を深く読み取らないと、判断がやや難しかったと思われる。判断に時間をかける必要のある選択肢だった。c・dは、前提知識として「日清修好条規」の内容や背景を把握している必要があった。

問3 「1885年から1894年までの10年の間」と、やや短い期間の年代整序問題が出題された。ただし、日清戦争開戦にいたるまでの国際関係を把握していれば、前後関係を判断することは難しくはなかったはずである。

問4 史料の読解問題。史料文も短く、日本史に関する知識が十分でなかったとしても、史料を丁寧に読み取ることによって、正答を導くことができたと思われる。


第6問   鉄道の歴史とその役割
小問数7問のうち,正誤を組み合わせる問題が2問、空欄補充問題、年代整序の問題、2つの文の正誤を判断する問題、4つの文から正文を選ぶ問題、4つの文から誤文を選ぶ問題がそれぞれ1問出題された。正誤を組み合わせる問題のうち,1問は写真を用いたものだった。史料や表から読み取る問題が計3題出題された。小問7問中,半分程度は史料・表・写真の判断を求める問題となっており,瞬間的に判断できる設問は少なく,ある程度の時間が必要だったと思われる。
 
問1 センター試験日本史Bでもみられた空欄補充問題。前後のキーワードから用語を導き出すのは容易だったはずである。

問2 読解が求められる問題だった。a・bの選択肢は,設問文・史料から1872年9月,太陽暦は明治五年(1872年)壬申十一月九日,に作成されたことが読み取れれば正誤の判定が可能であった。明治五年に戸惑ったかもしれないが,設問文の,時刻表と太陽暦が同年(1872年)に出された,という情報を見逃さなければ,正答を導くことができたと思われる。

問3  当然ながら,表を参照する必要があるが,正答を選択するためには,該当する時期の背景知識や用語の理解が不可欠だった。

問4  20世紀以降の日本の対外関係のなかで,鉄道に関わる諸政策・事件に関する6択の年代整序問題。「張作霖」「南満州鉄道株式会社」「段祺瑞」の語句に着目し,Iは昭和初期,IIは明治期,IIIは大正期と,各選択肢の時期が離れているため,正答を導きやすかったはずである。

問5 「買い出し」「ドッジ=ラインの影響」に関する問題は,センター日本史でも出題されたことがあるため,過去問を対象にして演習を繰り返してきた受験生には解きやすかっただろう。この形式の設問は,a・b(もしくはc・d)のいずれかが正文または誤文であるため,2つの文を比較して判断すればよい。

問6 提示された表2の情報だけでなく,オリンピックの開催,第1次石油危機のそれぞれの時期を把握しておけば,正答を導き出すのは容易だった。

問7 中曽根康弘内閣に関するX・Yの2文の正誤を判定する問題。基本知識で十分対応できる問題であった。

◆解答

 

【地理B】

◆全体外観

 

◆設問別分析

【第1問】世界の自然環境と自然災害

世界や日本の地域性の理解を前提とした地図などの資料の読み取りが中心で、難易度は高い。問4のオーストラリアにおける気温・降水量分布の季節変動に関する等値線図の判定には注意を要する。

問1 大陸棚は大陸プレート上の海洋部分に広がっている。火山列は海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込む境界線に沿っている。
問2 xはエスチュアリー、yは沖積平野の説明。源がアルプスにあるのはB。アルプス山脈は高峻で、Bは水源から河口までの距離が短いため、勾配が急で土砂の運搬力も強く、堆積地形が形成される。
問3 EやFの流域は主に乾燥帯、Hの流域は熱帯→常緑広葉樹中心。
問4 「内陸が乾燥」「北部は夏に多雨のサバナ気候」、南半球は1月が夏。
問5 熱帯低気圧はインド洋のサイクロン、地震は大地溝帯と変動帯(新期造山帯)周辺。
問6 雪崩は春先にも発生、土砂災害を起こす集中豪雨は梅雨期に多い。


【第2問】資源と産業

大問全体のテーマとして「持続可能な資源利用」が設定されており、各設問が環境問題に関連づけられている。SDGsを意識した構成となっている。問4では、日本やアメリカ合衆国などの人口規模に関する知識を必要とする。しかし、全体としては易しめの問題が並んでいる。

問1 Aの世界最大の生産・消費国は中国、Bの特定の地域は中東。
問2 アフリカは人口の急増地域、アジアは経済・産業の急成長地域。
問3 aは工業化の始まった発展途上国、bは新興工業国、cは先進国。
問4 fの判定において、各国のおよその人口規模を把握しておきたい。
問5 熱帯林中心の発展途上国では、薪炭材としての自給的消費が大半。
問6 エビ養殖池の造成は、熱帯林減少の要因として頻出である。


【第3問】村落・都市と人口

標準的な難易度の大問である。ジェントリフィケーションがみられる地区を判読する問3では資料の年次に注意が必要である。ヨーロッパの空港における出発地域別旅客数の統計を判別する問4や、2か国の国全体および外国出身者の人口ピラミッドを判別する問5は難易度が高い。

問1 「~のほとんどが」のような表現に注意が必要である。
問2 市民ホールは各市の中心部に1つか2つしかない。悪臭などの公害が懸念されるごみ処理施設は人口の希薄な郊外に置かれることが多い。
問3 「2000年の居住者の貧困率」に注意。ここから2015年までにどう変化したか、を考えたい。
問4 パリ(フランス)→北アフリカに旧植民地、マドリード(スペイン)→中南米に旧植民地。
問5 ドイツの外国生まれはトルコなどからの工場労働者、シンガポールの外国生まれは工場労働者の他に、フィリピンなどからの家事労働者が多い。
問6 カナダは先進国、韓国は20世紀後半に先進国化、マレーシアは新興国、バングラデシュは発展途上国(近年経済成長)。先進国ほど出生率は低下。

【第4問】ラテンアメリカ 

Aではラテンアメリカの自然と社会、Bではチリとニュージーランドがテーマとなっている。旧センター試験で出題されていた比較地誌の大問は、共通テストへの移行によって姿を消していたが、Bではこれを復活させた形である。 

問1 Dの流域はリャノ(サバナ)、Eの流域の一部はカーチンガ(ステップ)。
問2 コスタリカは再生可能エネルギーの優等生、ブラジル=水力は頻出。
問3 1971年と2019年では輸出総額が何十倍も違う。輸出割合が下がっても輸出額は増加している。
問4 大半が白人のアルゼンチンよりも、民族構成が複雑なブラジルの方が貧富の差が大きい。内陸国のボリビアは経済水準が低い。
問5 チリの首都サンティアゴ周辺は地中海性気候→ぶどう栽培→ワイン輸出。
問6 チリは銅鉱、NZは農畜産物を輸出。いずれも旧宗主国を含む地域との関係は弱くなり、中国をはじめとする東アジアとの関係を深めている。


【第5問】地域調査(北海道苫小牧市周辺)

北海道苫小牧市の周辺を題材とした地域調査の問題である(地理A第5問と共通)。知識なしで常識的に解ける設問もあるが、前年よりは減っており、逆に、問4の苫小牧市の製造品出荷額に関する統計問題など、やや判断に迷う設問が目立つ。

問1 右と左、東西南北がわかれば解ける。
問2 沿岸流は海岸線と平行に、潮汐は海岸線と垂直に作用する。
問3 第4問の問3と同様に、絶対量と割合の違いが決め手である。
問4 かつては地元資源による製紙・パルプ業に依存していたが、掘り込み港の建設でエネルギー関連産業が急拡大した。
問5 地区dは工場で働く壮年層とその子が入居するが、時期とともに入れ替わる。地区eでは造成時に入居した人々が一斉に高齢化を迎える。
問6 ほぼ常識レベルで処理できるだろう。

◆解答

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