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2022年 1月 17日 ☆☆☆【理系科目】大学入学共通テスト 解答速報☆☆☆

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【物理】

◆全体外観

大問4題構成で昨年から変化なし。設問数とマーク数はともに減少した。

大問数
減少 | 変化なし | 増加
設問数
減少 -1 | 変化なし | 増加
マーク数
減少 -3 | 変化なし | 増加
難易度
易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化

※増減は昨年第1日程との比較
※昨年は得点調整が行われたため、得点調整前の難易との比較

昨年の共通テストと同じく大問数4題の出題。第1問は小問集合であり、力学、電磁気学、波動、熱力学の分野から出題された。第2問の出題分野は力学、第3問は電磁気学、第4問は原子であり、第1問から第4問のすべての問題が必答問題である。また、物理の全範囲から広く出題されている。
概ね出題傾向としてはセンター試験に近く、昨年の第一回共通テストよりも新たな傾向を含む設問は減少している。しかし、第2問の前半では「物理的に誤った仮定」を実験的に反証することをテーマとしたあまり類を見ない出題が見られた。

第1問の小問集合では、水面波の干渉、凸レンズによるスクリーン上での実像、剛体のつり合い、断熱変化を含む熱サイクル、電流による磁場と磁場が電流に及ぼす力、といった入試物理においては比較的典型的な問題が出題された。
第2問の力学は、運動量と力積に関する現象に焦点を当てた大問であった。運動量変化と力積の関係についての実験におけるデータとグラフへの理解、運動量保存則と衝突に関する実験への理解が問われた。
第3問の電磁気学は、運動する磁石によってコイルに生じる誘導起電力、並びにこれに伴う誘導電流に関する出題であった。磁石を載せた台車の運動を変えたり、コイルの巻きの向きが変わったり、巻き数が変わったりする場合にコイルに生じる誘導起電力がどのように変化するかを考察する典型的な問題である。
第4問の原子物理は、ボーアによる水素原子模型からの出題であった。向心加速度の導出に関する設問、静電気力と万有引力の比較をする設問、エネルギー準位と放射スペクトルに関する設問から構成されており、知識よりも与えられたものを使って考察できるかどうかが問われている。

全体として煩雑な計算はなく、物理法則に従って基礎的に現象が捉えられるかどうかがポイントとなった。昨年の共通テストでは丁寧に問題を読めば解答できる設問が多かったが、今年は過去のセンター試験に類するように、判断ミスを抑えるための典型的な問題演習が功を奏するような出題であった。

年度 大問 出題分野 設問数 マーク数 配点
2022 第1問 小問集合 5 6 25
第2問 力学 6 7 30
第3問 電磁気 5 8 25
第4問 原子物理 4 4 20
2021 第1日程 第1問 小問集合 5 5 25
第2問 電磁気 6 12 25
第3問 波動、原子物理 6 7 30
第4問 力学 4 4 20
2021 第2日程 第1問 小問集合 5 7 25
第2問 電磁気 5 6 25
第3問 波動 7 9 25
第4問 力学 5 5 25
2020年以前はセンター試験
年度 大問 出題分野 設問数 マーク数 配点
2020 第1問 小問集合 5 5 25
第2問 電磁気 4 4 20
第3問 波動 4 4 20
第4問 力学 4 4 20
1問 選択 第5問 熱力学 3 3 15
第6問 原子物理 3 3 15
2019 第1問 小問集合 5 5 25
第2問 電磁気 4 4 20
第3問 波動 4 6 20
第4問 力学 4 4 20
1問 選択 第5問 熱力学 3 3 15
第6問 原子物理 3 3 15
2018 第1問 小問集合 5 5 25
第2問 電磁気 4 4 20
第3問 波動 5 6 20
第4問 力学、熱力学 5 5 20
1問 選択 第5問 力学 3 3 15
第6問 原子物理 3 3 15

 

【参考】過去の平均点の推移

2021(第1日程) 2020 2019 2018 2017 2016 2015
62.36 60.68 56.9 62.4 62.9 61.7 64.3

 

◆設問別分析

【第1問】小問集合
問1(波動) 波源の単振動が逆位相であることに注意して強め合いの条件を書けばよい。
問2(波動) 凸レンズでのスクリーン上での像が倒立実像であること、レンズを通るすべての光がスクリーン上に集まることを考えればよい。
問3(力学) 円板の重心は中心Oであることに留意して力のモーメントのつり合いを立てればよい。
問4(熱力学) 主に断熱膨張において外部に仕事をする分だけ内部エネルギーが減少することを判断できればよい。
問5(電磁気学) 電流が周囲の空間に形成する磁場とその磁場から別の電流が受ける力の向きと大きさを考える問題である。
いずれも過去のセンター試験などでも頻出であり、内容も基本的な問題である。

【第2問】力学
前半部分は「間違った仮定」を実験的に反証する珍しいテーマの問題である。よく問題を読まなければならない。
問1 文章で与えられた「間違った仮定」を正確に読み取りグラフに起こせばよい。グラフを判断する前に数式に起こして落ち着いて選択するとよいだろう。
問2 解答番号8ではフックの法則よりばねばかりの目盛りが引く力の大きさを示していることがわかっていればよい。解答番号9は選びにくいが、【実験2】の意図をふまえて、与えられた「間違った仮定」を検証するにあたって【実験1】では前提条件として何が最も相応しいのかを判断する必要がある。
問3 「間違った仮定」であることの根拠は【実験1】からの方が得やすいため、【実験2】では判断が難しい。逆に「図2から読み取れないもの」に注意して正確に判断する必要がある。
問4 運動量を縦軸とすることで、質量が異なっても与えた力が等しいことからグラフの傾きが等しくなることに気づけばよい。
後半は実験の目的について注目するというよりも、普段通りに現象を正確に想像すればよい。典型的な問題である。
問5 打ち上げ前後における「小球と台車を含む物体系」での運動量保存則であることに留意する。
問6 運動量保存則とエネルギー保存則の成立条件に関して正確な理解が必要な問題である。

【第3問】電磁気学
問1 グラフにおいて電圧が急激に変化している箇所が2つのコイルを通過した時刻であることがわかれば台車の速度が求められる。
問2 解答番号16は、誘導電流による磁場が変化を妨げるように力を及ぼすことに注意すればよい。解答番号17は、コイルを流れる電流が小さいほど働く力が小さくなることと、オシロスコープの内部抵抗が大きいほど電流が小さくなることを用いればよい。解答番号18は、運動方程式において加速度の大きさが小さくなる場合を考えればよい。いずれにせよ、法則を書いて式で考えた方がミスは避けられるだろう。
問3 2つのコイルを通過した時刻に変化がないことから台車の速さが変わっていないことに注意して、誘導起電力がコイルの磁束の時間変化に比例することから正しい選択肢を選ぶことができる。
問4 図5と図6を比較して、コイル1を通過したときの電圧変化だけが逆転していることから正しい選択肢を選ぶことができる。
問5 台車の速度変化に注意して、各コイル間をすべりおりるのにかかる時間と、コイルに生じる起電力の大きさがどのように変化するかを考えればよい。

【第4問】原子
問1 角速度の定義は知っておかなければならない。微小時間における速度変化が、(向心加速度)×(微小時間)で求められることに気づけば幾何的な考察を省略することができる。
問2 万有引力と静電気力の大きさの比を考察する問題である。どちらの力も距離の2乗に反比例するので比の値は距離に依存しない。数値を代入する際は桁さえ求められればよいことから、指数部のみの計算だけを行って省力化したい。
問3 与えられた量子条件と電子の軌道半径の式から、運動エネルギーと静電気力による位置エネルギーを地道に計算すれば解答が得られる。
問4 振動数条件と、光子のエネルギーがhνと表されることから解答が得られる。放出される光子が1個であることはボーアの仮説である。

◆解答

 

【化学】

◆全体外観

大問数は5題、設問数は18、マーク数は33。出題形式は、昨年とほぼ同じであった。ただし、昨年や試行調査で見られた方眼紙を用いて解答を導く問題は姿を消した。難易度は、昨年並みであり、グラフや表などから必要なデータを読み取って解答を導く必要がある思考型の問題が多く出題されていた。

大問数
減少 | 変化なし | 増加
設問数
減少 | 変化なし | 増加
マーク数
減少 | 変化なし | 増加 +4
難易度
易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化

※増減は昨年第1日程との比較
※昨年は得点調整が行われたため、得点調整前の難易との比較

昨年と比べ、大問数、設問数は変化なく、マーク数は4つ増加して33であった。昨年度と同様に、小問集合形式の設問や、数値を直接入力する問題が出題され、第5問では「アルケンのオゾン分解」に関して、熱化学および反応速度と絡めたテーマ問題が出題された。第1問問3、問5b、第2問問3、第3問問2、第4問問4、第5問問2などは、じっくりと問題文を読みその場で考える必要があり、解くのに時間を要する問題であった。解いたことのある問題しか解けない状態だと高得点を得るのは難しく、問題文(リード文、グラフ、表、図など)から必要な情報を読み取って解答を導く必要がある思考型の設問が多かった。

年度 大問 出題分野 設問数 マーク数 配点
2022 第1問 物質の構造・状態 5 6 20
第2問 物質の変化と平衡 4 6 20
第3問 無機物質 3 5 20
第4問 有機化合物、高分子化合物 4 7 20
第5問 熱化学、反応速度、有機化合物 2 9 20
2021 第1日程 第1問 物質の構造・状態 4 6 20
第2問 物質の変化と平衡 3 5 20
第3問 無機物質 3 6 20
第4問 有機化合物、高分子化合物 5 6 20
第5問 化学平衡、天然高分子化合物 3 6 20
2021 第2日程 第1問 物質の構造・状態 4 5 20
第2問 物質の変化と平衡 3 7 20
第3問 無機物質 4 5 20
第4問 有機化合物、高分子化合物 5 8 20
第5問 物質の変化、有機化合物 2 7 20
2020年以前はセンター試験
年度 大問 出題分野 設問数 マーク数 配点
2020 第1問 物質の構造・状態 6 6 24
第2問 物質の変化と平衡 5 7 24
第3問 無機物質 5 8 23
第4問 有機化合物 5 6 19
第5問 高分子化合物 2 3 6
1問選択 第6問 合成高分子化合物 2 2 4
第7問 天然高分子化合物 2 2 4
2019 第1問 物質の構造・状態 6 7 24
第2問 物質の変化と平衡 5 6 24
第3問 無機物質 5 6 23
第4問 有機化合物 5 6 19
第5問 高分子化合物 2 2 5
1問選択 第6問 合成高分子化合物 2 2 5
第7問 天然高分子化合物 2 2 5
2018 第1問 物質の構造・状態 6 6 24
第2問 物質の変化と平衡 5 6 24
第3問 無機物質 5 6 23
第4問 有機化合物 5 6 19
第5問 高分子化合物 2 2 5
1問選択 第6問 合成高分子化合物 2 2 5
第7問 天然高分子化合物 2 2 5

 

【参考】過去の平均点の推移

2021(第1日程) 2020 2019 2018 2017 2016 2015
57.59 54.79 54.7 60.6 51.9 54.5 62.5

 

◆設問別分析

第1問
問1 原子の電子配置に関する問題であった。原子の電子配置に関する基本的な知識を基に解答できる。
問2 化合物中の窒素含有率が最も高いものを選ぶ問題であった。各化合物のモル質量が与えられているため、化学式中の窒素原子の数をもとに窒素含有率の概数を求めれば、それほど時間をかけずに解答できる。
問3 気体の法則に関する問題であった。混合気体では「モル比=分圧比」が成り立つことに注意して、気体の状態方程式から、混合気体の密度とAの分圧の関係を導く必要があり、難しかった。
問4 非晶質に関する正誤問題であった。決して難易度は高くないが、非晶質に関しては盲点になっていた受験生が多かったのではないだろうか。
問5 気体の溶解度に関する問題であった。aは、水の量が20Lであることに注意して解答する必要がある。bは、遊離した窒素の標準状態の体積を求めるので、物質量が分かれば気体定数を用いずに22.4L/molを用いて解答できる。


第2問
問1 化学反応や状態変化における熱量の出入りに関する問題であった。燃焼熱、中和熱、溶解熱、凝固熱のうち、物質によって発熱の場合も吸熱の場合もあるものはどれであるかを問う設問である。
問2 水溶液の水素イオン濃度に関する問題であった。得られた溶液は酢酸の水溶液であり、酢酸のモル濃度に注意して、1-α≒1(α:電離度)を利用した近似式を用いて計算すれば、すぐに解答できる。
問3 化学平衡の法則に関する問題であった。正反応と逆反応の速度定数から、式(1)の反応の平衡定数を求めることができたかがポイントであった。
問4 エネルギー源としての水素に関する問題であった。aは、標準状態における水素の体積をもとに物質量を計算するので、第1問問5bと同様に、22.4L/molを用いることで解答できる。bは、リン酸型燃料電池において、正極と負極で起こる反応が分かれば解答できる。cは、bと同様に正極または負極で起こる反応の反応式を基に解答できる。 


第3問
問1 カリウムミョウバンと塩化ナトリウムに関する問題であった。各水溶液中に含まれるイオンの基本的な性質を基に解答できる。
問2 金属Mの酸化物の組成式を求める問題であった。図1のデータから酸化物中のM原子とO原子の物質量比を正しく読み取れたかがポイントであった。
問3 アンモニアソーダ法に関する問題であった。aは、二酸化炭素、炭酸ナトリウム、塩化アンモニウムの水溶液の液性を問う基本的な問題であった。bは、アンモニアソーダ法による炭酸ナトリウムの製造の流れを正しく理解できていれば無理なく解答できる。cは、アンモニアソーダ法の全体の反応式を覚えていたかがポイントであった。


第4問
問1 ハロゲン原子を含む有機化合物に関する問題であった。これまでの知識に頼らず、その場でよく考えれば解答できたのではないだろうか。
問2 フェノールのニトロ化に関する問題であった。フェノールはオルト位とパラ位の置換反応を受けやすいことを基に、考えられる異性体を数えればよい。
問3 高分子化合物に関する正誤問題であった。天然高分子化合物および合成高分子化合物に関する基本的な知識を基に解答できる。
問4 ジカルボン酸の還元に関する問題であった。aは、ジカルボン酸→ヒドロキシ酸→2価アルコールの順に変化していくことが分かれば解答できる。bは、銀鏡反応を示さず、また、炭酸水素ナトリウム水溶液とも反応しないことから選択肢を絞り、元素分析値を基に組成式を求めれば解答できる。cは、各ジカルボン酸に含まれる2つのカルボキシ基が、互いに区別できるかどうかに注意して数える必要がある。

 
第5問
問1 脂肪族不飽和炭化水素に関する正誤問題であった。分子の構造および一般式に関する基本的な問題であった。
問2 アルケンのオゾンによる酸化反応に関する問題であった。aは、アルデヒドBがヨードホルム反応を示さず、ケトンCがヨードホルム反応を示したことから、ともに炭素数3の化合物であることに気づけたかがポイントであった。bは、式(3)から「三酸化硫黄の生成熱-二酸化硫黄の生成熱」が「99」であることに気づければすばやく計算できたのではないだろうか。cは、1.0秒から6.0秒の5.0秒間におけるアルケンAの減少量(mol/L)をグラフから読み取ることで解答できる。dは、反応速度式におけるabの値(反応次数)を表2から読み取る必要がある。bの値はすぐに決まるが、aの値を読み取れたかがポイントであった。 

◆解答

 

【生物】

◆全体外観

文章量が多く、データが文章で示される出題、および選択肢の数が増加し、やや難化。

大問数
減少 | 変化なし | 増加
設問数
減少 | 変化なし | 増加
マーク数
減少 | 変化なし | 増加 +1
難易度
易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化

※増減は昨年第1日程との比較

昨年と同様に、大問数は6題である。分量は28ページで昨年の31ページよりも減少した。設問数は26問(マーク数28)であり、昨年の26問(マーク数27)よりマーク数が1つ増加した。昨年と同様、実験考察問題が主体であるが、図・表の数が減り、文章でデータを示す問題が増え、会話形式のディスカッションの内容を読み取る問題も増加した。そのため、処理にかなり時間がかかったと思われる。また、選択肢の数が増加したため、全体としてやや難化した。

年度 大問 出題分野 設問数 マーク数 配点
2022 第1問 霊長類の系統、ヒトの進化 3 3 12
第2問 植物と病原菌の相互作用、遺伝子導入 6 6 22
第3問 脊椎動物の肢芽の分化 5 5 19
第4問 アリの道標フェロモン 3 4 12
第5問 植物と動物の環境応答植物の生殖、ショウジョウバエの視覚と行動 4 5 16
第6問 イネの種子発芽、花粉形成、低温適応 5 5 19
2021 第1日程 第1問 生命現象と物質・進化と系統 4 4 14
第2問 生態と環境(外来生物と個体群) 4 4 15
第3問 生態と環境(生産構造図) 3 3 12
第4問 生物の環境応答(学習) 3 4 13
第5問 生殖と発生・生物の環境応答(植物) 7 7 27
第6問 生殖と発生(動物) 5 5 19
2021 第2日程 第1問 抗体の構造、植物の雑種形成 7 7 25
第2問 光-光合成曲線、発芽の調節 6 6 22
第3問 サンゴ礁における魚類の物質収支 3 4 14
第4問 尿生成のしくみと分子 4 4 15
第5問 ホメオティック遺伝子 3 3 12
第6問 刺激の受容と応答 3 3 12
2020年以前はセンター試験
年度 大問 出題分野 設問数 マーク数 配点
2020 第1問 生命現象と物質 5 5 18
第2問 生殖と発生 5 5 18
第3問 生物の環境応答 6 6 18
第4問 生態と環境 5 8 18
第5問 生物の進化と系統 6 6 18
1問 選択 第6問 生命現象と物質、および生物の環境応答 3 3 10
第7問 生物の進化 3 4 10
2019 第1問 生命現象と物質 5 6 18
第2問 生殖と発生 5 5 18
第3問 生物の環境応答 4 5 18
第4問 生態と環境 3 5 18
第5問 生物の進化と系統 6 8 18
1問選択 第6問 DNAの複製と遺伝情報の転写・発現 3 3 10
第7問 生物の種間関係 3 3 10
2018 第1問 生命現象と物質 6 6 18
第2問 生殖と発生 4 6 18
第3問 生物の環境応答 5 7 18
第4問 生態と環境 5 6 18
第5問 生物の進化と系統 6 6 18
1問選択 第6問 遺伝子組換え実験 3 3 10
第7問 生物の生態と進化 3 3 10

 

【参考】過去の平均点の推移

2021(第1日程) 2020 2019 2018 2017 2016 2015
72.64 57.56 62.9 61.4 69.0 63.6 55.0

 

 

◆設問別分析

【第1問】霊長類の系統、ヒトの進化
霊長類のアミノ酸配列の違いを題材にした、ヒトの進化、分子系統樹に関する総合問題である。問1は、教科書レベルの知識問題であるが、受験生があまり勉強しない分野であり、得点差がつくだろう。問2は、表1を見ればすぐに解け、易しい。問3は、分子時計に基づく計算方法、および、タンパク質の重要度と進化速度の関係の両方を理解していないと解けず、得点差がつくだろう。

【第2問】植物と病原菌の相互作用、遺伝子導入
Aは植物と病原菌を題材に、個体群の相互作用や生存戦略に関する実験考察問題である。問1は、問題文の内容と図1の健全区のデータから求めることに気づかないと解けず、得点差がつくだろう。問2は難しくはないが、選択肢の分量が多く、理解に時間がかかる。Bは、アグロバクテリウムを用いた遺伝子導入に関する知識問題、実験考察問題である。問3~5の知識問題は、問題集などで練習していれば難なく解ける。問6は、トランスジェニック植物がヘテロ接合体であることに気づけば、容易に計算できるだろう。

第3問】脊椎動物の肢芽の分化
肢芽の発生を題材にした実験考察問題である。データがすべて文章で表されるという目新しい出題形式であり、実験内容を自力で整理しなければならず、全体に時間がかかる。問1は、教科書レベルの基礎知識であり、易しい。問2、3は、実験1~3の読み込み、会話文の読み込みに時間がかかり、得点差がつくだろう。問4は、生物基礎レベルの問題であり、易しい。問5は、これまでの内容と矛盾のない文章を選ばなくてはならず、得点差がつくだろう。

【第4問】アリの道標フェロモン   
アリの行列と、道標フェロモンを題材にした実験考察問題である。データがわかりやすく、他の大問に比べて易しめである。問1は、易しめの実験考察問題であるが、選択肢と照らし合わせに時間がかかるだろう。問2は、データがはっきりしていて難なくとけるだろう。問3は、フェロモンの定義を知っていれば簡単に解ける。

【第5問】植物の生殖、ショウジョウバエの視覚と行動
植物の生殖とショウジョウバエの視覚と行動を扱った総合問題である。1問1答式であるので、取り組みやすい。問1は、易しめの知識問題である。問2は、連鎖と組換えが理解できていれば簡単に解けるであろう。また、設問自体が実験計画であるので、理解に時間がかかり難しい。問4は、実験結果とリード文のデータを読み込まねばならず、ⓕの記述の考察に時間がかかり、難しいだろう。

【第6問】イネの種子発芽、花粉形成、低温適応
イネを題材に、種子発芽、花粉形成、低温適応に関する総合問題。1問1答式であるので、取り組みやすい。問1は、誤っている選択肢がわかりやすく、易しい。問2は、縦軸が「受精しなかった割合」であることを見落とさなければ易しいだろう。問3は、気温よりも水温は変化が少ないことにたどり着ければ解けるだろう。問4は、実験1の内容と矛盾のない語句を選べばよく、それほど難しくはない。問5の実験計画は、実験2の内容を読み込み、さらに選択肢の内容を理解するのに時間がかかり難しい。

◆解答

 

【地学】

◆全体外観

大問数は変化なし。設問数とマーク数はそれぞれ1増加。「20世紀初頭における地学的な発見」に関する問題が出題された。

大問数
減少 | 変化なし | 増加
設問数
減少 | 変化なし | 増加 +1
マーク数
減少 | 変化なし | 増加 +1
難易度
易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化

※増減は昨年第1日程との比較

出題分野は昨年と変わらない。大問数は5問で変化なし。設問数・マーク数は30で1問増。地質図学の出題はなかった。
計算問題は空気塊の凝結高度、海面水位に関するアイソスタシー、天体の絶対等級の3問。いずれも基礎的。問題のページ数もこれまでと大差なかった。
各分野について基礎的な知識を問う設問が多く、難易度は昨年度と変化なし。

教科書の基本事項を丹念に学習することと標準レベルの問題を多く演習することに加えて、分野総合的な学習が求められる出題である。
第1問は地学の各分野の歴史における重要な発見を題材にした問題5問。いずれも基礎的内容で問題相互のつながりはない。
第2問は地球の構造、地磁気、火山の小問6問。基礎的。
第3問は変成岩、酸素同位体比、日本列島の地質の6問。いずれも標準的問題である。
第4問は気象分野で小問6問。大気の安定・不安定と雲の生成は標準的問題。海洋の構造はやや難。
第5問は天文分野7問。太陽と天体の動きと時刻、惑星の視運動、恒星の進化、いずれも標準的問題だが、Ia型超新星が題材にされるのは初めてである。
 

年度 大問 出題分野 設問数 マーク数 配点
2022 第1問 20世紀初頭における地学的な発見 5 5 17
第2問 固体地球 6 6 20
第3問 岩石と地層 6 6 20
第4問 大気と海洋 6 6 20
第5問 宇宙 7 7 23
2021 第1日程 第1問 水と地球 5 5 18
第2問 固体地球 5 5 18
第3問 岩石と地層 6 6 21
第4問 大気と海洋 7 7 23
第5問 宇宙 6 6 20
2021 第2日程 第1問 時間・空間スケール 5 5 17
第2問 固体地球 5 5 17
第3問 岩石と地層 7 7 23
第4問 大気と海洋 6 6 20
第5問 宇宙 7 7 23
2020年以前はセンター試験
年度 大問 出題分野 設問数 マーク数 配点
2020 第1問 地球 8 8 27
第2問 岩石と地質 5 5 17
第3問 大気と海洋 8 8 27
第4問 恒星と星団 5 5 17
1問 選択 第5問 地球の活動と歴史 4 4 12
第6問 宇宙 4 4 12
2019 第1問 地球 5 5 17
第2問 地質と岩石 8 8 27
第3問 大気と海洋 5 5 17
第4問 宇宙 8 8 27
1問選択 第5問 地球 4 4 12
第6問 水の循環と海洋 4 4 12
2018 第1問 地球 8 8 27
第2問 岩石・鉱物と地質 5 5 17
第3問 大気と海洋 8 8 27
第4問 宇宙 5 5 17
1問選択 第5問 地質と岩石 4 4 12
第6問 宇宙 4 4 12

 

【参考】過去の平均点の推移

2021(第1日程) 2020 2019 2018 2017 2016 2015
46.65 39.51 46.3 48.6 53.8 38.6 40.9

 

◆設問別分析

【第1問】20世紀初頭における地学的発見
問1 大気圏の層構造の基礎的知識を確認する出題。
問2 恒星についての基礎的問題。易。
問3 モホロビチッチのモデルと走時曲線の関係の標準問題。
問4 放射性同位体の半減期について基礎的問題。
問5 玄武岩質マグマの結晶分化作用についての知識を問う標準的出題。


【第2問】固体地球
Aは地球の構造。
問1 アイソスタシーと重力異常の関係について知識を問う。
問2 地球内部を伝わる地震波の径路についての知識。

Bは地磁気。
問3 地磁気の要素と地磁気の逆転の関係。図を描いて確かめられるかが鍵。
問4 地磁気の逆転による地層・岩石の対比についての知識。

Cは火山。
問5・問6 火山の形とマグマの性質、噴火の特徴についての基礎的知識。


【第3問】岩石と地層
Aは変成岩。
問1 変成岩の組織と岩石名の標準的問題。
問2 プレートの沈み込み境界における変成作用と日本列島の変成帯の標準的問題。

Bは酸素同位体比。
問3 示準化石についての基礎的知識。
問4 酸素同位体比の変動と気候の関係の基礎的出題。
問5 気候変動の周期についての基礎的知識。

Cは日本列島の地質。
問6 付加体の新旧関係についての基礎的知識を問う。


【第4問】大気と海洋
Aは大気の安定・不安定。
問1 空気塊の凝結高度を求める基礎的計算。
問2 大気の安定・不安定の基本知識の確認。
問3 雲の形成についての知識を確認する出題。基礎的。

Bは海洋の構造。
問4 海水の密度・水温についての総合的理解を問う出題。
問5 アイソスタシーの基礎的計算問題。
問6  図を描いて考えることができるかどうかがポイント。


【第5問】宇宙
Aは太陽や天体の動きと時刻。
問1 天体の見かけの動きと時刻に関する正確な知識が問われる。

Bは惑星の視運動。
問2 最大離角の意味を理解しているかを問う基礎的出題。
問3 火星が逆行するときの位置関係の知識を問う問題。

Cは銀河と恒星。
問4 銀河の分類と構造についての知識問題。
問5 問題文の情報から判断する力が問われている。
問6 白色矮星についての基礎的知識。
問7 天体の光度と等級についての基礎的計算問題。

◆解答