校舎からのお知らせ | 東進ハイスクール 南柏校 大学受験の予備校・塾|千葉県 - Part 2

校舎からのお知らせ 2021年01月の記事一覧

2021年 1月 16日 ☆☆☆【国語】大学入学共通テスト 解答速報☆☆☆

◆設問別分析

【第1問】香川雅信『江戸の妖怪革命』(設問中に芥川龍之介「歯車」)→やや難化
問1の漢字はセンター試験と同様の形式だが、選択肢は1つ減。問2は傍線部Aを含む[3]段落の内容が解答根拠。問3の傍線部B「アルケオロジー的方法」は[7]~[9]段落で説明されている。特に[7]冒頭「アルケオロジーとは、…」で始まる1文の内容をおさえたい。問4は傍線部Cを含む[14]の内容が解答根拠。問5は生徒の「学習の過程」に即して本文理解を深める問題。(ⅰ)は[2]~[5]、(ⅱ)は[12]~[17]という、やや広い範囲の理解が求められている。(ⅲ)は本文[17]の内容と関係する設問だが、設問の【ノート3】で引用されている「歯車」(芥川龍之介)を参照すれば、正答を選べる。

【第2問】加能作次郎「羽織と時計」(設問中に宮島新三郎「師走文壇の一瞥」)→やや難化
大正期の身辺雑記的な心境小説の一節で、語句の意味、心情説明、理由説明など、従来のセンター試験と変わらない形式の設問が中心だが、最後の問6は小説についての評論家の批評を資料として提示して、作品鑑賞を深く問う新傾向の出題となっている。問4、5、6がやや紛らわしく、全体として昨年よりやや難化している。

【第3問】『栄花物語』→やや難化
問1はセンター試験同様の解釈の問題。(イ)(ウ)は重要単語・敬語・文法の知識で解ける。(ア)の「まねび」はやや難。問2の理由説明問題は、直前の「よろしきほどは」を踏まえて考える。問3の傍線部に関する語句や表現の問題は試行調査にもあったが、文法や敬語についてはほぼ問われなかった。②③についての判断がやや難。問4はセンター試験でも出題があった、登場人物に関する説明問題。正解となる⑤は傍線部(イ)の直後の内容に合致する。問5の和歌の説明文を踏まえる問題は、試行調査などでも出ていない新形式。三首の和歌の解釈が正確にできなくてはならない。

【第4問】欧陽脩『欧陽文忠公集』『韓非子』→昨年並み
【問題文Ⅰ】は、昨年の五言古詩に続いて、全22句の欧陽脩の五言古詩で、【問題文Ⅱ】は同じく馬を御する術についての『韓非子』の文章であり、二つの素材の組み合わせであった。問1は「徒(たダ)」「固(もとヨリ)」と同義の字を問う問題、問2は語句の解釈、問3は押韻の問題、問4は返り点の付け方と書き下し文の組み合わせ、問5は送り仮名のない傍線部の解釈、問6は全体の趣旨に関わる問題であった。

 

◆解答

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2021年 1月 16日 ☆☆☆【公民】大学入学共通テスト 解答速報☆☆☆

◆設問別分析

【現代社会】

【第1問】権力分立とそのあり方
定期試験の準備という設定だったが、出題は政治思想と司法制度などを中心としたかなりオーソドックスな知識を要求する内容であった。問2および問8は読解力および思考力で解答可能である。問1では福沢諭吉および中江兆民の思想についての理解を求める出題がなされるなど、法律をはじめとした制度や政治思想に関する理論的事項の確実な理解が必要であった。

【第2問】持続可能な開発
ワンガリ・マータイ氏の「MOTTAINAI」を素材に高校生が発表を行うという設定だった。出題の内容は環境問題に関するものだけでなく各国の政治制度や条約に関する内容も含んでいる。問2は思考力により解答するタイプの出題であった。

【第3問】市場経済と政府の役割
現代社会の時間という設定で、6つの会話文を題材にして出題された。経済分野の重要事項が多く出題されている。問6は思考力を問う問題に見えるが、公共財における非競合性と非排除性についての理解を要求する出題となっている。会話文の穴埋め問題が2問あり、知識だけでなく論理的な思考力も必要とされる。

【第4問】現代社会の変容
カードゲームによる勉強という設定で、会話文がリード文になっている。生命倫理、青年期など、現代社会分野からの出題であった。問1は普段から接している略語の正確な理解を問う内容で、確実な学習が必要であった。問2で2018年以来となる防衛機制が出題された。

【第5問】買い物弱者問題
探究学習の課題という設定で、資料読解が中心の出題となっている。問1・2は資料の読解力と思考力に基づいて解答できるが、資料を細かく読み解いて選択肢を吟味する必要があり、時間がかかる設問となっている。問3は「公正としての正義」が取り上げられているが、「再分配」の正確な理解があれば解答可能であった。

 

【倫理】

【第1問】源流思想分野
生徒の会話文とレポートをもとにした試行調査型の大問であったが、小問8問中3問はセンター型の四択問題であった。問1では董仲舒とスンナ派についての知識が問われたほか、正解のペテロもやや細かい事項なので、少し難しい。イスラームで利子が禁じられているという点が問われた問7も、やや難しい。

【第2問】日本思想分野
3部に分割され、それぞれ生徒の調べ学習という形がとられた。オーソドックスな四択問題は1題だけであった。出題内容では、丸山真男・小林秀雄・吉本隆明の3人についての知識が求められた問6は細かい事項が問われたが、それ以外は繰り返し問われてきたものばかりである。出題形式としては、写真資料とそれに対する先生と生徒の説明・感想・疑問を素材とする問2が新形式のものとして目を引く。

【第3問】西洋近現代思想分野
従来のセンター試験と近い形式であった。リード文が置かれ、各小問の形式も、会話文の空欄補充を求める問7・問8を除けば、センター試験で出題されてきたものと同様のものばかりであった。ただ資料文の読解問題が2題置かれており、会話文読解の求められた問7・問8と合わせて、読解力重視の傾向が非常に強かった。国語力のある受験生にとっては、きわめて平易だったであろう。なお、会話文の読解として、吉野源三郎の著書の内容について言及された。

【第4問】青年期・現代社会分野
問1ではリオタールやヨナスが出題された。何度か出題されてきた思想家ではあるが、知らない受験生も多かったであろう。リップマンのステレオタイプについて問われた問3も、判断できなかった受験生が多いと思われる。問6は大問冒頭の会話文と設問中の会話文をともに踏まえて読解することが求められた。問8では初めてベンヤミンが出題として扱われ、事前知識は不要であるものの、受験生にとっては資料文が難しく感じられたであろう。

 

【政治・経済】

【第1問】望ましい社会の姿
問1ではあまり触れられない人間開発指数を問い、問2ではGDPに関する考えさせる問題が出題されており、出だしから受験生を苦しめたと思われる。問3以降は社会保障や地球環境問題などが出題されたが、従来のセンター試験と同形式で同程度の難易度の問題であった。

【第2問】民主主義の基本原理と日本国憲法
全体的に問題文や資料文の文章が長く、趣旨を読み取るのに時間がかかる。問1は判例に関する知識があればすぐに解けるが、なくてもしっかりと文章を読めば解答できる。問3は三つの資料文それぞれの内容が問われており、落ち着いて資料文の趣旨を読み取ることが求められる。問6はアメリカの政治学者ロバート・ダールが提唱した「ポリアーキー」についての問題で、「ポリアーキー」の知識は必要ないが、図の理解力と、選択肢の政治体制の知識が必要である。

【第3問】現代の経済
基本的な知識を問う問題もあるが、問3と問4が一筋縄ではいかない問題になっている。問3の財政の変化は、それぞれの年度の数値をよく比較しないと解答が出せない。問4は問題文が長いうえに教科書ではあまり見ない形の図が出されており、しかも理論に加えて貸し渋りやBIS規制の知識も正誤の判断に必要とされている。問6は見慣れない図があるが、国際収支の各項目の内容を問うている基本的な問題である。

【第4問】途上国支援
ODAや人間の安全保障など、多くは基本的な問題である。ただし、問1は下線部に示された意見の根拠を問うという問題、問7は憲法の知識と文章の流れの理解を問うという問題で、ともに知識だけでは解けない仕組みになっている。また、問4では、なぜこの5か国が取り上げられているのかを理解することが問題を解くカギになっている。

 

【倫理、政治・経済】

【第1問】源流思想分野
生徒の会話文とレポートをもとにした試行調査型の大問であったが、小問4問中1問はセンター型の四択問題であった。問1では董仲舒とスンナ派についての知識が問われたほか、正解のペテロもやや細かい事項なので、少し難しい。

【第2問】日本思想分野
3部に分割され、それぞれ生徒の調べ学習という形がとられた。オーソドックスな四択問題は1題だけであった。出題内容では、丸山真男・小林秀雄・吉本隆明の3人についての知識が求められた問4は細かい事項が問われたが、それ以外は繰り返し問われてきたものばかりである。出題形式としては、写真資料とそれに対する先生と生徒の説明・感想・疑問を素材とする問2が新形式のものとして目を引く。

【第3問】西洋近現代思想分野
従来のセンター試験と近い形式であった。リード文が置かれ、各小問の形式も、会話文の空欄補充を求める問4を除けば、センター試験で出題されてきたものと同様のものばかりであった。ただ資料文の読解問題が1題置かれており、会話文の読解が求められた問4と合わせて、読解力重視の傾向が非常に強かった。国語力のある受験生にとっては、きわめて平易だったであろう。

【第4問】青年期・現代社会分野
問2は大問冒頭の会話文と設問中の会話文をともに踏まえて読解することが求められた。問3では初めてベンヤミンが出題として扱われ、事前知識は不要であるものの、受験生にとっては資料文が難しく感じられたであろう。

【第5問】民主主義の基本原理と日本国憲法
全体的に問題文や資料文の文章が長く、趣旨を読み取るのに時間がかかる。問1は判例に関する知識があればすぐに解けるが、なくてもしっかりと文章を読めば解答できる。問3は三つの資料文それぞれの内容が問われており、落ち着いて資料文の趣旨を読み取ることが求められる。問5はアメリカの政治学者ロバート・ダールが提唱した「ポリアーキー」についての問題で、「ポリアーキー」の知識は必要ないが、図の理解力と、選択肢の政治体制の知識が必要である。

【第6問】現代の経済
基本的な知識を問う問題もあるが、問3と問4が一筋縄ではいかない問題になっている。問3の財政の変化は、それぞれの年度の数値をよく比較しないと解答が出せない。問4は問題文が長いうえに教科書ではあまり見ない形の図が出されており、しかも理論に加えて貸し渋りやBIS規制の知識も正誤の判断に必要とされている。

【第7問】途上国支援
ODAや人間の安全保障など、多くは基本的な問題である。ただし、問1は下線部に示された意見の根拠を問うという問題、問4は憲法の知識と文章の流れの理解を問うという問題で、ともに知識だけでは解けない仕組みになっている。また、問2では、なぜこの5か国が取り上げられているのかを理解することが問題を解くカギになっている。

 

◆解答

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2021年 1月 16日 ☆☆☆【地理歴史】大学入学共通テスト 解答速報☆☆☆

◆設問別分析

【世界史B】

【第1問】資料と世界史上の出来事との関係
Aは『史記』に見える始皇帝死亡時の逸話、Bは歴史家マルク=ブロックが著した『歴史のための弁明-歴史家の仕事』についてのリード文であった。Aでは中国についての設問を中心に、古代から現代まで地域・時代ともに幅広く出題された。Bでは従来のセンター試験とは異なり、解答を導くために資料の読解が不可欠である問題が出題された。全体的に、世界史の基礎知識とともに資料の読解力が求められた新傾向の出題であった。

【第2問】世界史上の貨幣
Aはイギリスの金貨鋳造量と紙幣流通量を示した2つのグラフを、Bはアジアの貨幣についての会話文を用いたリード文であった。Aではグラフの読み取りと歴史的知識を連動させる設問が出題された。Bではセンター試験には見られなかった、会話文中の3つの空欄に適する用語の組合せを問う問題が出題された。全体として、歴史的事項がどの時代に起こったのかという、時期を判別する力が問われた。

【第3問】文学者やジャーナリストの作品
Aは『デカメロン』、Bは日本人ジャーナリストの大庭柯公の文章、Cはジョージ=オーウェルの『1984年』を用いてのリード文であった。Aは中世ヨーロッパを中心に文化史の知識を含めた幅広い知識が問われた。Bではセンター試験には見られなかった、資料文の2つの空欄と1つの下線部に対応する用語の組合せを問う問題が出題された。Cでは資料の読解力を問われる問題が出題された。全体的に、文化史を含めた幅広い知識が定着しているかが問われたと言える。

【第4問】国家や官僚が残した様々な文書
Aは19世紀に締結された条約の資料を、Bは日中関係についての会話文を、Cは英領インドの統治に関する文書を用いてのリード文であった。Aでは資料の読解に加えて地図の知識を問う問題が出題された。Bでは3つの資料の並べ替え問題が出題された。Cではインドを中心に幅広い知識が問われた。全体的に、戦後史や地図の知識など受験生が手薄になりがちな知識が求められた。

【第5問】旅と歴史
Aは3つの旅行記を、Bは朝鮮史をテーマとした会話文を用いてのリード文であった。Aではヨーロッパを中心に古代から20世紀まで幅広い知識が問われた。Bでは朝鮮史を中心に歴史事項の並べ替え問題などが出題された。年代整序問題が6問中2問出題されたこともあり、歴史の流れの正確な把握が求められたと言える。

 

【日本史B】

第1問 貨幣の歴史
小問数6問の内訳は、正誤を組み合わせる問題が3問、4つの文から誤文を1つ選ぶ問題、2文の正誤判定、年代整序問題がそれぞれ1問ずつ出題された。センター試験日本史Bに近い形での出題が多かったが、試行調査にはみられなかった、解説文を用いた問題が1問出題された。

問1 試行調査の「評価と根拠の組合せ」に近い形式。組合せを丁寧に検討すれば、正答を導くことができる、読解力・分析力を求めた問題だった。

問2 図版を読み取ることを求めており、やや判断に悩んだかもしれないが、ヒントは会話文の中にあった。古代では、「銭貨とともに米や布・絹などが貨幣として使われてきた」という発言を見逃さず、図版から米俵(右横)、絹(もしくは布、中央の女性)を見つけることができれば判断できただろう。

問3  センター試験日本史Bでもみられた、2文の正誤判定。消去法が使用できないので正しい理解が求められる。なお、昨年度のセンター試験日本史Bでも「中世から近世初期にかけての流通経済」が出題されていた。

問4 グラフを用いた問題。読みとりで対処できるが、「開国」した時期を把握しておく必要があった。

問5 従来のセンター試験日本史Bで多くみられた、6択の年代整序問題。「不換紙幣→兌換紙幣」、「銀本位制→金本位制」の流れをつかめていれば、正答を導くことができた。

問6 図や先生の解説文を用いた、センター試験日本史Bではほとんどみられなかった形式の問題。学習が進んでいる受験生は、図に提示された西暦年だけでも正答を出すことができたと思われるが、解説文にある「新円切り替え」や「流通が禁止されていた旧円の紙幣」などといった情報も見落とさないようにしたい。資料にはヒントが示されているという意識をもって確認しようとする必要がある。本問では、図3・解説文から「1947年までの時期」に該当する選択肢を検討すべきだった。


第2問 文字使用の歴史
第2問は、試行調査にあったような生徒の発表をもとにした問題だった。小問数は全5問で、その内訳は、正誤を組合わせる問題が2問、4つの文から誤文を1つ選ぶ問題、2文の正誤判定、年代整序問題がそれぞれ1問ずつ出題された。評価と根拠の組合せは試行調査でもみられたが、事例と背景の組合せは今回の共通テスト日本史Bで初めてみられた形式である。地図を用いた中国諸王朝の領域に関する年代整序問題は、歴史総合を意識した問題とも考えられる。

問1 センター試験日本史Bではみられなかった、地図を用いた整序問題であるうえに、「中国諸王朝の領域」であるため、判断に迷った受験生が多かったと思われる。設問文にある「1世紀、3世紀、5世紀」を見逃さないことが重要。「3世紀」に該当する魏・呉・蜀の三国時代、「5世紀」に該当する南北朝時代などの情報を想起しつつ、判断したい。

問2 史料を用いた正誤判別問題であったが、万葉仮名や稲荷山古墳の所在地、これらに対する基本的な知識をもっていれば対応可能だった。

問3 2つの事例とa~dの正しいものの組合せを判断する問題。a・bの選択肢は事例1・2から判断できる。c・dは「吉備真備」と「白村江の戦い」の時期に関する情報を習得しておく必要があった。

問4 試行調査でみられた、「評価と根拠」の組合せの形式。評価と根拠が因果で結びつかなければ正答にならず、選択肢には必ずしも誤りが含まれているわけではないため、形式に慣れていない受験生は戸惑ったかもしれない。

問5 大問の全体像を把握できなければ対処しにくい問題。問2の史料やBさんの発表要旨などに、正答につながるヒントが隠されていた。共通テストでは、問題文だけでなく、各小問がヒントになるような形式の問題が出題されると考えておくべきである。


第3問 中世の都市と地方との関係
小問数5問の内訳は、正誤を組合わせる問題が2問、4つの文から誤文を1つ選ぶ問題、2文の正誤判定、年代整序問題がそれぞれ1問ずつだった。試行調査でもみられた、図の読み取りを求めたうえで「最も適当なもの」の組合せを選択させる問題が出題された。

問1 (1)  史料の読解問題。史料文も短く、注釈にも大きなヒントがあるなど、焦らなければ正答を選択するのは容易だったと思われる。

問1 (2)  図版を読み解く方法に関する問題。選択肢と図版を照らし合わせれば、正答を導くのは難しくなかった。(1)の史料・(注4)にある「ぼう(片に旁)示を打ち、……荘園認定の手続きを進めることを指す」も、正答を導くためのヒントになったはずである。

問2 平安時代末から鎌倉時代の都市と地方との関係に関する問題。六勝寺が建立された時期と当時の政権に対する理解が必要だった。

問3 「室町時代の一揆」に関する年代整序問題は頻出であるが、ⅠとⅡの前後関係は、正確な情報をもっていなければ判断しにくかったと思われる。

問4 X・Yのそれぞれの文と、それに該当する語句a~dとの組合せを問う問題。文化史を苦手にしていた受験生は少なくないと思われるが、問われていることは基本事項だったため、判断しやすかっただろう。

第4問 近世社会の儀式や儀礼
小問数は全5問。正誤を組み合わせる問題、4つの文から正文を1つ選ぶ問題、4つの文から誤文を1つ選ぶ問題、2文の正誤判定、年代整序問題で構成されていた。多くがセンター試験日本史Bと同様の出題形式だった。問1は、受験生が初見と思われる図だった点において、試行調査で多く見られた設問と性格の類似した問題だった。

問1 提示された図とその説明から、X・Yの文の正誤をそれぞれ判断する問題。Yについては「井伊直弼(井伊家)」を特定する必要があるなど、基本的知識が必要だったが全体的にX・Yの文と図やその説明を参考にすれば、正答を導くことができる。

問2 歴代の武家諸法度を対象とした年代整序問題。Ⅰの「大船の建造禁止を解き」が受験生の盲点だったかもしれないが、開国の時期にあたると類推できれば、正答を導けたと思われる。

問3 江戸時代の対外関係に関する基本的な情報を習得していれば対応できる問題だった。

問4 (1)  受験生にとって初見と考えられる史料。注を参考にして判断すれば、正答を選択するのは容易だっただろう。

問4 (2)  受験生にとって初見と考えられる史料。(1)と同様に、注を参考にすれば正答を選択できるが、「天長節」という歴史用語について理解していれば、読解はさらに容易だっただろう。

第5問 近代の女性
小問は4問で、空欄補充問題、2文の正誤を判定する問題、語句を組合せる問題、組合せの正誤問題がそれぞれ1問ずつ出題された。いずれもセンター試験日本史Bとほぼ同じ形式の問題だった。

問1 大阪事件の内容や平民社を設立した幸徳秋水の思想を把握しておく必要があった。空欄イに関しては、後述されていた「社会主義」がヒントになっただろう。

問2 幕末維新期の武士について述べたX・Yの文と、それに該当するa・bの語句を選択する問題。出身藩や地名などが求められた。西郷隆盛や箱館五稜郭の戦い(榎本武揚)など、基本的な情報を掌握していれば容易に対応できる問題だった。

問3 史料の読解を求める問題であるが、注に注目すればa・bの判別は容易である。問題文中にある西暦年を見逃すと正答を導くことは困難だった。問題文に書かれている情報を見逃さないようにしたい。

問4 文章から「大正時代」ではなく、「明治時代」の社会が問われていると判断できただろう。ただし、 新婦人協会の活動時期や、活動の成果などを把握している必要があった。


第6問 第二次世界大戦後の民主化政策
出題形式としては、空欄補充問題が1問、4つの文から誤文を1つ選ぶ問題が1問、2文の正誤判定が2問、組合せの問題が3問出題され、そのうちの2問に「政策と目的」や「語句と理由」を組合わせる問題が出題されたものの、形式の多くはセンター試験日本史Bに近く、試行調査で出題されていたような形式は、出題されなかった。

問1 センター試験日本史Bにもみられた、X・Yの2文の正誤を判定する問題。Xでは地租改正、Yでは明治時代の農村の知識が問われた。基本知識で十分対応できる問題。

問2 ①は1920年代、②は1900年代、③は1870年代、④は1940年代と、各選択肢の年代が離れているため、時期を特定しやすかったはずである。

問3 「農産物価格の低下」、「小作争議が活発化」から「寄生地主制の『動揺』」を導きたい。提示されたスライドの情報をしっかりと読み込めば、正答を導くことができる問題。

問4  問1同様、センター試験日本史Bでもみられた2文の正誤を判定する問題。戦時体制に関する設問は、センター試験日本史Bでも頻出だった。

問5 提示された情報の「小作料の引下げを禁止」などを見逃さなければ、正答を導き出すのは容易であった。

問6 グラフの読み取りを求める問題。農地改革は、昨年のセンター試験日本史Bでも出題されていた。①と②は知識で判別可能であるが、③と④は共通テストの試行調査同様に読解タイプの選択肢であった。

問7 「減反政策」、「農業基本法」は、センター試験日本史Bでも出題されたことがあるため、過去問演習をしっかりとしてきた受験生には解きやすかったであろう。この形式の設問は、a・b(もしくはc・d)のいずれかが正文または誤文であるため、2つの文を比較して判断すればよい。

 

【地理B】

【第1問】世界の自然環境と自然災害
センター試験同様に第1問は自然環境に関する出題であり、Aには気候環境と自然災害について、Bには山岳に関する設問が置かれた。会話文を中心に、高い読解力と考察力を要する問題が目立った。

問1 仮想大陸における2地点の判別。隔海度以外の条件を揃える。
問2 雨温図に関する会話文の空欄補充。気候の理解に加え読解力も必要。
問3 自然災害に関する会話文の空欄補充。空欄ツは慎重に考えたい。
問4 山岳に関する会話文の空欄補充。個数を選択させるユニークな出題。
問5 山岳の景観写真に関する正誤判定。正誤の組み合わせを選択させる形式。
問6 山岳氷河の縮小に関する資料の判別。素直に考えたい。


【第2問】産業
第2問はセンター試験同様に「産業」分野からの出題であったが、農業・水産業・工業立地・製造業の国際化・商業と、多様な項目の設問が並んだ。センター試験に比べると、理論に関する設問や、複雑な構成の設問が目立った。

問1 小麦の生産統計に関する説明文の判別。統計の読み取りがポイント。
問2 水産業に関する統計地図と凡例の判別。やや易しめの設問である。
問3 輸送費と工業立地に関する模式図の判別。究極的には足し算の問題。
問4 酪農工場立地に関する文と統計の判別。バターは乳を濃縮し、体積減る。
問5 日系現地法人の売上高に関する統計の判別。米国の推移は欧州に近似。
問6 商業形態別店舗数の統計の判別。百貨店はすぐ決まるが…。


【第3問】都市と人口
センター試験時代の第3問では、集落(都市・村落)と生活文化を組み合わせた大問になっていたが、本年は都市と人口がテーマとなった。落ち着いて考えられたかが鍵。

問1 大都市の分布に関する統計地図の判別。イだけを選ぼうとすると誤りやすい。
問2 3か国年齢階級別人口統計の判別。人口第1位都市は15~64歳の割合多。
問3 インド系住民(印僑)に関する説明文の正誤判定。一定の知識が必要。
問4 東京都の人口分布に関する統計の判別。Cはニュータウンのある多摩市。
問5 日本国内の空き家等に関する統計の判別。常識を働かせて正解したい。
問6 台北の交通網に関する資料を説明する文章の正誤判定。難しくはない。


【第4問】アメリカ合衆国
地誌を扱う大問で北アメリカが出題された例は、センター試験では2012年に遡る。A(自然環境と産業)とB(社会と経済)に分けた出題。問1の⑴と⑵のように、2つの設問が連動した出題(⑴の正否が⑵に関わる)は新傾向。

問1⑴ 米国の人口重心の移動方向の判定。基本テーマ。矢印の向きに注意。
問1⑵ ⑴に示された移動の要因の文章選択。⑴が分かっていれば容易。
問2 3州の水資源に関する統計の判別。各地域の産業の特徴の理解が前提。
問3 2都市のハイサーグラフと農産物統計の判別。州名の知識は不要。
問4 2州および2都市の人種民族統計の判別。複雑だが慎重に考えたい。
問5 社会経済に関する統計地図の判別。内容は平易だが、迷うと誤りやすい。
問6 大統領選の政党支持に関する文章の空欄補充。政経の要素が含まれる。


【第5問】地域調査(京都府宮津市周辺)
センター試験と同様に地理A(第5問)との共通問題である。全体として、常識で対応できる取り組みやすい問題が並んでおり、取りこぼしは避けたい。

問1 人口に関する統計地図の説明文の正誤判定。丁寧に読み取るだけ。
問2 地形図と古地図の判読に関する説明文の正誤判定。これも知識不要。
問3 天橋立の景観写真の判別。4つとも決めることで確実に選びたい。
問4 丹後ちりめんに関する資料の適語補充。8択で面倒だが易。慌てずに。
問5 聞き取り調査に関する考察文の正誤判定。半ば常識的に判断できる。
問6 外国人観光客の統計に関する説明文の空欄補充。シは文脈から考える。

 

◆解答

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2021年 1月 7日 【重要】校舎開館時間変更のお知らせ